棘上筋
肩こり・首こりの原因となる筋肉:棘上筋
解剖学的には回旋筋腱板(ローテーターカフ)を形成する筋肉群の一部であり、主に肩関節の安定化と初期の外転動作(腕を上に挙げる)に貢献します。この筋肉は肩関節を機能的に安定させる要素として重要な役割を果たすため、損傷が生じた場合、肩の痛みや機能障害が発生する可能性が高まります。 臨床的によく見られる棘上筋に関する問題は、筋肉炎、筋緊張、筋断裂、回旋筋腱板損傷など多岐にわたります。特に、40歳以上の成人に多い回旋筋腱板損傷は、棘上筋が最も影響を受けやすい筋肉です。
起始 | 棘上窩 |
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停止 | 大結節 |
支配神経 | 肩甲上神経 |
肩甲骨の挙上
肩をすくめる、肩を持ち上げる動作。
肩甲骨の回旋
肩甲骨を外側に回旋させる。
肩甲骨の固定
腕を動かすときに、肩甲骨自体が不必要に動かないように固定する役割。
腕を上に挙げる
棚に物をしまう、高い場所を掃除する際に腕を挙げるなど、棘上筋が肩甲骨を挙げることで、手を高い位置に持っていく動作がスムーズに行えます。
服を着る・脱ぐ
Tシャツやコートを着る動作。肩甲骨が適切に動かないと、衣服の着脱が難しくなることがあります。棘上筋が肩甲骨をうまくコントロールすることで、このような動作が容易になります。
重いものを持つ
荷物を持ち上げる、買い物袋を持つ。棘上筋が肩甲骨を固定する役割も果たし、それによって重い物を持ち上げるときのバランスと力の伝達が改善されます。
運転と車の操作
ハンドルを握る、シートベルトを装着する動作。棘上筋が働くことで、肩甲骨が適切に位置し、ハンドル操作やシートベルトの装着が容易になります。
食事
箸やスプーンを使う、飲み物を口に運ぶ。食事中も肩甲骨が一定の位置を保つことが必要です。そのため、棘上筋の健康は食事動作にも影響を与えます。
不適切な姿勢
長時間のデスクワーク、スマホの使い過ぎ。
過度な負荷
過度な筋トレや不適切な方法による筋トレ、重い荷物の持ち運びなど。
筋肉のバランスの乱れ
僧帽筋や大胸筋が過度に発達している。
棘上筋へのハイボルテージ、運動療法やテーピング
まずはハイボルテージ治療やテーピングにより、棘上筋の炎症を鎮めます。その後、インナーマッスルの強化などにより、棘上筋への負担を減らします。