後斜角筋
肩こり・首こりの原因となる筋肉:後斜角筋
後斜角筋について
頸部(首)の後斜角筋は、首の横に位置する三角形の筋肉で、前斜角筋と中斜角筋と共に、頚部の側方に3つ存在する斜角筋群を構成しています。 後斜角筋の主要な作用は、呼吸補助と頭頚部の動作調節です。具体的には、肋骨の上昇を助け、呼吸に寄与する一方で、頭部の側屈と後屈、そして頚部の回旋にも関与します。 臨床的には、後斜角筋はしばしば筋痙攣や筋硬直によって頚部痛や肩こりを引き起こす可能性があります。また、この筋肉の過度な緊張や硬化は、「胸郭出口症候群」の一因ともなる場合があります。この症状は、上肢神経叢や頚動脈が後斜角筋によって圧迫されることで、上肢に痺れや痛みを引き起こす可能性があります。
起始 | C5~C6の横突起 |
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停止 | 第2肋骨 |
支配神経 | 頚神経叢、腕神経叢 |
後斜角筋はどんな働きをする?
首の後屈
上を向く動作。
首の側屈
頭を左右に傾ける動作。
日常生活でどんな時に筋肉を使う
上や横を見る
高い棚から物を取る際や、ビルを見上げる動作や、交通の安全を確認する際や、人と話すときに頭を横に向ける動作。
食事
食事中に頭を動かす必要があり、後斜角筋が頭の安定に貢献。
寝返り
頭を横に向けたり、枕に頭を預ける動作。
痛くなる因子
不適切な姿勢
長時間のデスクワークや運転で首や頭が前に傾くことが多いと負担がかかります。
重い荷物の持ち運び
背中や肩に重い荷物を持つと、後斜角筋に過度なストレスがかかります。
筋力の低下
年齢とともに筋肉が弱くなると、痛みを感じやすくなります。
後斜角筋に対する施術
後斜角筋の緊張除去と血流改善、滑走性改善
後斜角筋への施術は何より緊張除去を優先します。斜角筋の緊張を除去した後、必要に応じて滑走性の改善を行います。